臨床心理学

大学院修了生と大学教員が協力—子どもの心理臨床を支援する「大妻保育臨床研究会」

2025年04月30日

大学院修了生と大学教員が連携し、保育現場に臨床心理学的支援を提供 大妻保育臨床研究会は、臨床心理士・公認心理師として活躍する大学院修了生が、大学教員と協力して保育現場における心理支援の実践研究を進める取り組みです。2020年度に田中優教授の呼びかけで発足し、現在5名の修了生と、他大学を含むさまざまな領域の教員6名が参加。大学教員には社会福祉学、社会心理学、臨床心理学の専門家が含まれており、それぞれの視点から保育現場への心理的支援を探求しています。研究会は毎月1回開催され、活発な議論や研究活動が行われています。現役の大学院生も参加し、臨床心理学の実践について学びながら研究を進めています。

保育士へのインタビューやアクションリサーチを通じた実践研究 本研究会では、子どもたちの心理的ケアの質を高めることを目的に、多摩キャンパス周辺地域の保育士へのインタビューを実施。現場のニーズを調査し、それに応じた臨床心理学的支援の在り方を模索しています。また、修了生が実際に保育現場へ赴き、保育士へのコンサルテーションを行うアクションリサーチにも注力。実際の支援活動を通じて得られた知見を、研究や実践に活かしています。

大学の研究助成を活用した地域貢献活動 研究活動は、科研費や大妻女子大学の研究助成を活用しながら進められています。修了生が培った臨床スキルを地域の子どもたちへの心理支援に活かし、大学の地域貢献活動としても展開。こうした継続的な連携により、修了生が専門性を活かし、社会で活躍するための貴重なサポートを受けることができます。

心理臨床の実践と研究を発展 臨床心理学専攻では、修了生とのつながりを重視し、臨床指導(スーパーヴィジョン)だけでなく、研究活動の支援にも積極的に取り組んでいます。修了生と大学教員が協力し合いながら、子どもたちの心理的ケアの向上に貢献する研究会として、さらなる発展を目指しています。

これまでの研究成果

春日文ほか 2022 「保育現場における心理支援の内容と課題 -国内文献の分析から-」 大妻女子大学人間生活文化研究 32, 1-15. https://journal.otsuma.ac.jp/2022no32/2022_1.pdf

廣瀬雄一ほか 2023 「保育領域における「気になる子」の定義に関する考察 : 先行研究の知見をもとに」 大妻女子大学共生社会文化研究 1, 1-8. https://otsuma.repo.nii.ac.jp/records/2000170

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