臨床心理学
学生相談学会スタッフ体験記
2019年06月04日
学生相談学会スタッフ体験記
先日、本学で開催した日本学生相談学会第37回大会では、学部生や大学院生だけでなく、修了生もスタッフとして運営にあたりました。
今回初めて学会スタッフを体験した修士1年生Aさんの体験記をご紹介します。
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2019年5月18日から20日までの3日間、大妻女子大学にて日本学生相談学会第37回大会が開催された。今回の学会は主に1日目のワークショップ、2日目の研究発表、3日目の全体事例検討会・総会・シンポジウムで構成されており、各日多くの方にご参加いただき賑わいを見せた。
特に2日目の研究発表、3日目の全体事例検討会は、発表者から提供された事例や研究結果について活発な討論が行われた。私もその場にいさせていただき、クライエントとカウンセラーのリアルなやり取りを聞く中で実際にカウンセリングの場にいるような感覚になった。特にセンシティブな事例においては激しく感情が揺さぶられるなど、さまざまな感情が揺れ動く様を感じた。多くの臨床家の先生が意見を交わしている場で、自分がカウンセラーの立場だったらどのようにアセスメントし、クライエントにアプローチしていくかを深く考えることができたことは、私に多くの学びをもたらしてくれた。さらに、先生方がそれぞれ支持する学派によって解釈が異なることもあり、そこにおもしろさを感じることもあった。また、自分の中で今まで曖昧だったカウンセラーとクライエントの実際の全体像が少しずつ明確になっていき、自分も臨床家の卵として研鑽を積んでいかなければと気持ちが引き締まった。
3日間を通じて、全国の大学でさまざまな臨床家の先生が、多種多様なクライエントに真摯に向き合っているということを改めて実感した。自分もご参加いただいた先生方のような仕事をするには、やはりまずは大学院で専門的な知識を幅広く学び、そしてそれを深く洞察、実践し、経験を重ねていくことが大切であると感じた。また、学会にスタッフとして参加することで、学会がどのように運営されているのかを目の当たりにすると同時に、多くの方の協力により学会が成り立っていることを実感した。スタッフとしてなるべくスムーズに学会が進行するよう、そして全員が気持ちよく学会に参加できるよう、自分に何ができて何が求められているのか判断し行動することが学会成功のカギになると感じた。
今回、スタッフとして学会に携わりその裏側を体感できたこと、そして1人の臨床心理学を学ぶ大学院生として、実際の臨床現場について知見を深めることができたのは非常に貴重な経験であった。
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写真は学生相談学会総会