臨床心理学

平成24年度臨床心理士資格審査結果速報 本学は今年も高い合格率を維持! 受験手記を掲載します。

2013年01月21日

昨年10月、11月に行われた平成24年度臨床心理士資格審査で、本学の現役合格率は 80.0%でした。以下のように、全受験者の合格率は59.1%でしたので、今回も高い合格率を維持できました。これで本学の過去平均累積合格率は93.0%となりました。

浪人合格率は今回は40.0%と低く留まりました。年度により33.3%~100%と変動が大きく、これまで大学院修了後すぐに常勤職として就職した人に不合格者が多い傾向があります。

(財)日本臨床心理士資格認定協会によると、今回の資格審査は、一次試験受験者2,812名、合格者1,768名(62.9%)、二次試験合格者1,663名(59.1%)でした。なお、同協会ホームページ「臨床心理士資格認定の実施」に、昭和63年以来、平成23年までの受験者数、合格者数、合格率などが掲載されています。こちらをご覧ください。

http://www.fjcbcp.or.jp/nintei_1.html

以下に、今回本学からの受験した人の手記を掲載します。

本学出身の修了生Mさん

①仕事をしながら、受験勉強にはどのように取り組みましたか。
春過ぎから夏までの数ヵ月は、大学院の同期と月に1~2度、1回3時間程度集まり、各自が作成してきた過去問の解説を用いて勉強会をした(そのための資料は仕事のない休日に作成)。夏以降は、空いている時間に過去問を繰り返し解いた。苦手な分野のみ、ルーズリーフにまとめながら暗記した。試験直前の1ヶ月は、仕事後もファミレスやカフェなどへ行き、勉強時間を意識的に確保した。

**修了生の勉強会が可能なのは以下の事情がある。本学では、卒後研修として、研究員制度を設けている。大学院修了後、修了生は全員、原則1年間、心理相談センターの研究員に登録して、センターのケースを担当する。そのため、修了生は月に数度は顔を合わせることになる。

研究員制度についてはこちらをご覧ください。

大妻臨床研究会および拡大カンファレンスについてはこちらをご覧ください。

②筆記試験の感想は?
マーク試験は、自信を持って答えられた問題もあれば、考えても全く分からないような問題もあり、試験後は不安でいっぱいだった。ただ、受験勉強前に大学院で受けた模擬試験の時ほど、100問解き続けることが負担でなかったことから、受験勉強中に過去問を繰り返し解く中で、知識と同時に、一度に集中して大量の問題を解く力も身に付いたのかもしれないと感じた。

**本学では、大学院教員が、試験前に模擬試験と模擬面接を実施して、資格試験に備えている。

③面接試験の感想は?
模擬面接のおかげで見通しを持って臨めた。緊張したが、主に大学院での体験を聞かれたので、答えることができた。

**本学では、心理相談センターのケースで、長期間続くケースを3~4件持つことを目標に内部実習を行っている。また、すべてスーパービジョンを受ける体制が整備されている。

④後輩に伝えたいことなど
働きながらの受験勉強は大変だったが、同期と励まし合うことで、乗り越えられたように思う。大学院での2年間は決して楽ではなかったが、臨床心理士になるために必要な多くの経験をさせていただいていたことに、修了した今、気付かされることが多い。これからも、大妻での出会いや経験を糧に、日々の臨床活動に励みたい。

他大学院出身の本学研究生Nさん

私は心理系大学院を修了後、研究生として授業やカンファレンスに参加させて頂きながら、臨床心理士資格試験に挑みました。筆記試験では、臨床心理学以外にも、精神医学や法律、統計など幅広い問題が出題されます。得意不得意な領域を考慮し、どの領域から勉強していくか、どこに時間を割くのか、という事を考えながら計画を立てていきました。 また、勉強では大学院受験の際に作成した専門知識のまとめノートが役立ち、心理学部に入学して以降、全ての学びが臨床心理士試験合格に繋がっていたのだと感じました。

論述試験では、これまで大学院生活を通して何を学び実践に結びつけたのか、どのような姿勢でクライエントと向き合うのか、というような心理臨床家としての資質を問われます。これまで先生方からの指導や実習で学んだ事をもう一度自分なりによく考え、どのような臨床心理士になりたいのか、どういった方面で活動したいのかというヴィジョンを定めていくことが大切だと感じています。

臨床心理士への道のりは楽なものではありませんが、人に寄り添い共に歩む臨床心理士の道を選び、本当に良かったと感じています。皆さんも学生生活における様々な経験を通して、自分らしい道を見つけられることを願っています。